未完成の言葉の欠片 / ※印は要注意orネタバレ / 二次はクリア後前提です
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2026.04.04 Saturday
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11/04/09
2011.04.09 Saturday
『おまえなんか、生まれてこなければよかったのに!』
目の前の昏い人影が、はっきりとそう宣告する。真正面からぶつけられる憎悪。負の感情の奔流。
自分ひとりに向けて落とされる蔑みの視線が、鋭い針のように身を苛む。安っぽい紅を刷いた赤い唇に浮かぶのは、醜悪に歪んだ笑み。背中には、温かみの欠片もない冷えた壁の感触があった。ぐい、と掴まれた腕が、抜けそうに痛い。怖い、こわいよ。助けて 神様。
誰でもいいから僕をここから出して。
『その薄気味悪い瞳であたしを見ないで』
『あんたの眼の色も、その力も、まるで化け物みたいじゃない』
すぐ耳元で呪わしげな舌打ちが聞こえた。
ぎゅっ、と身を竦めるように抱きしめた、痩せた身体の至るところに浮かび上がるのは、幾つもの青黒い痣。怯えた虚ろな琥珀色の瞳でのぞむ、薄汚れた天井には、突き抜ける蒼穹も天上に住まう神もない。
あるのはただ絶望と、恐怖。
狂乱した女の金切り声が耳にこびりついて離れない。だれ? いったいだれのこえ?
(これは不必要な波紋だ)
肥大した自意識が見せる妄想。
神様は来たよ。もう全ては神の御手に委ねられたのだから。
意識に無理矢理介入するように。そう、彼は己に言い聞かせる。大丈夫、自分には何も見えていない。見えない。見えない、自分は何も知らない。
執拗に打ち消す言葉。それでも否定しきれない確かな過去(じぶん)がある。
(……おかあさん)
目の前の昏い人影が、はっきりとそう宣告する。真正面からぶつけられる憎悪。負の感情の奔流。
自分ひとりに向けて落とされる蔑みの視線が、鋭い針のように身を苛む。安っぽい紅を刷いた赤い唇に浮かぶのは、醜悪に歪んだ笑み。背中には、温かみの欠片もない冷えた壁の感触があった。ぐい、と掴まれた腕が、抜けそうに痛い。怖い、こわいよ。助けて
誰でもいいから僕をここから出して。
『その薄気味悪い瞳であたしを見ないで』
『あんたの眼の色も、その力も、まるで化け物みたいじゃない』
すぐ耳元で呪わしげな舌打ちが聞こえた。
ぎゅっ、と身を竦めるように抱きしめた、痩せた身体の至るところに浮かび上がるのは、幾つもの青黒い痣。怯えた虚ろな琥珀色の瞳でのぞむ、薄汚れた天井には、突き抜ける蒼穹も天上に住まう神もない。
あるのはただ絶望と、恐怖。
狂乱した女の金切り声が耳にこびりついて離れない。だれ? いったいだれのこえ?
(これは不必要な波紋だ)
肥大した自意識が見せる妄想。
神様は来たよ。もう全ては神の御手に委ねられたのだから。
意識に無理矢理介入するように。そう、彼は己に言い聞かせる。大丈夫、自分には何も見えていない。見えない。見えない、自分は何も知らない。
執拗に打ち消す言葉。それでも否定しきれない確かな過去(じぶん)がある。
(……おかあさん)
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