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未完成の言葉の欠片 / ※印は要注意orネタバレ / 二次はクリア後前提です
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発掘した
4章シュレーフェン戦・没展開

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「なーんかアレな編成ですよね」
 アサルト・ライフルを肩で支えるようにしたキースが、背中を丸めて言った。その口調といい話の中身といい、どうも本来あるべき緊張感に欠ける。
「アレ、ってなあ……他人に判るように喋れよ。自分の感覚だけで喋らないでくれる? そのうちおまえの通訳放棄するよ、俺」
「だから一言では言いづらいんだって」
「『変』でおしまいだろ」
「そんな風に言ったら失礼――」
「そんな風に肯定してる時点で充分失礼、って気付いた?」
「うわっ、今のナシ! なしなし!」

 アシュレイの言葉に、慌ててキースは口を両手で覆って発言を撤回しようとするが時既に遅し、である。そろそろと窺うように周囲を見回すが、どれほどの小声でも聞かれていない訳がない。変、とは少し違うから言葉を替えたのにと、折角の考えが意味をなさない今の状況にちょっとばかり頭を抱えた。
 一方、誘導尋問で彼を墓穴に嵌めたアシュレイはというと、再び無関心な表情で小銃の手入れをしている。別に神経質になっているわけではなく、単なる暇潰しらしい。
「――って! 今のはアシュレイも思いっきり失礼だぞ」
「俺は真実を言ったまで」
「………………緊張感ないね、おまえら」
 呆れた声でそう口にしたヴァルトの方をすかさず振り返ると、二人して、
「少尉に言われたくないですー」
「下手に緊張したって失敗するだけです」
 まるで息を合わせたように同時に彼らは言った。確かにどちらの言にも一理ある。――ヴァルトの立場からしてみれば、前者はやや認め難かったが。
 そんな二人を前に、額を押さえて眉根を寄せたヴァルトの背後で、くすくすと笑い声が上がった。声の主はロタール・マルケ軍曹だ。それまで黙っていた周囲も、彼につられるように忍び笑いを零す。そこには緊張感など存在していないようだった。
 赤毛の軍曹はヴァルトの肩をポン、と叩くと、笑いを堪えられない様子で言う。
「頑張れよ、隊長ォ」
「あーはいはい、判ってますって。どうせ俺は未熟者だからあいつらには敵いませんよ」
 彼の揶揄する口調に、肩を落とすポーズを見せつつヴァルトは軽く返した。実際、士官候補生として現役の彼らには色々な意味で負ける。戦略・戦術にしろ銃やナイフの扱いにしろ、ヴァルト自身が習っていたのは本当に幼い頃だ。実戦経験の差は大きい。
 おそらく、偵察隊として編成されたこのメンバーの中では、自分が一番未熟なのだろう、と彼は思う。ロタールを始め、彼らは常に前線に置かれてきた下士官ばかりだ。
 ただ、些かエキセントリックなところのある面々だが。
 キースが言葉を濁した〈アレ〉の中身はそういうことだ。ノイマン中尉が率いていった正統派の第一隊とは違い、第二隊の組み合わせには良くも悪くも試験的なものが感じられる。そもそも軍務経験の浅いヴァルトをリーダーに据え、実力で劣る候補生二人を同じ隊に配置した辺りで通常では考えられない。
(お手並み拝見されちゃってるわけ?)
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