未完成の言葉の欠片 / ※印は要注意orネタバレ / 二次はクリア後前提です
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2026.04.04 Saturday
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メモ
2005.03.05 Saturday
ヴァルファムの学制は4月始まりです。現時点で正式な学生組はヴァルトとクロップ。士官学校は一般的なルートとは違うけど、中学(特権階級を除き義務教育)卒業後ならいつでも入れます。大抵15~18で入る。基本的にどの学校でも、学校側からは身分・出身による扱いの差はありません。士官学校は流石に帝国民オンリーだけど、一般の学校は国籍による差別もなし。留学生大歓迎のお国柄。ああ、でも義務教育である中学校にも二種類あって、勉強を続けるためのコースと職業訓練校に進むコースとがある。行く学校によって将来のルートが決まってしまう。という設定。因みにローデシアは1月始まり。
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メモ
2005.02.27 Sunday
タブーに関しての話とか。
慶紹は血族婚に関してのタブー観が薄そうだなあ。近親相姦に関して寛容というか、寧ろ血統を保つために同族結婚は普通というか(特に斎の一族。未来視の巫女の輩出のため)(因みに『風待ち』読んだらわかる通り伽耶さんは一族ではないよ)。でもまあ、一般的には別の血族と結婚しますよ。婚姻によって土地と土地の繋がりを結ぶって意味もあるし(要するに政略婚)。
ヴァルファムは民法典とかでその辺りの婚姻に関してはきっちり決まってそうな気が。四親等か三親等かそこが問題だ。
ローデシアは宗教的に色々制約が厳しそうであります。
古代ローマだと同父のきょうだいは駄目で異父きょうだいはオッケーなんだっけ?文化人類学の講義でそう聞いたような。あーちゃんとしたソースが欲しいなあ。何読めばいいんだ。
慶紹は血族婚に関してのタブー観が薄そうだなあ。近親相姦に関して寛容というか、寧ろ血統を保つために同族結婚は普通というか(特に斎の一族。未来視の巫女の輩出のため)(因みに『風待ち』読んだらわかる通り伽耶さんは一族ではないよ)。でもまあ、一般的には別の血族と結婚しますよ。婚姻によって土地と土地の繋がりを結ぶって意味もあるし(要するに政略婚)。
ヴァルファムは民法典とかでその辺りの婚姻に関してはきっちり決まってそうな気が。四親等か三親等かそこが問題だ。
ローデシアは宗教的に色々制約が厳しそうであります。
古代ローマだと同父のきょうだいは駄目で異父きょうだいはオッケーなんだっけ?文化人類学の講義でそう聞いたような。あーちゃんとしたソースが欲しいなあ。何読めばいいんだ。
05/02/11
2005.02.11 Friday
「わたくし、お勉強はきらい」
「どうして?」
「なぜって、家庭教師(ガヴァネス)のお話はつまらないもの。むつかしい説明ばっかりでなに言ってるのかわかんない。ルディには怒らないのに、わたくしにばかり礼儀作法(マナー)にうるさいし。それにいつもお父さまやお母さまの子どものころとくらべるのよ! 見てもないくせに!」
「知識を身に着けるのは大事なことだよ。礼儀作法もね」
「だって、だって……」
「『だって』は駄目」
「どうして?」
「なぜって、家庭教師(ガヴァネス)のお話はつまらないもの。むつかしい説明ばっかりでなに言ってるのかわかんない。ルディには怒らないのに、わたくしにばかり礼儀作法(マナー)にうるさいし。それにいつもお父さまやお母さまの子どものころとくらべるのよ! 見てもないくせに!」
「知識を身に着けるのは大事なことだよ。礼儀作法もね」
「だって、だって……」
「『だって』は駄目」
notesより好き嫌いの話
2005.02.03 Thursday
「ごちそうさま」の声と共に脇によけられた皿の上を、目敏く捉えてフレイアが熾己の側に押し戻す。
「だーめ!」
軽い口調の割に彼女の目線は厳しい。しまった、とばかりに熾己が眉を顰めて片頬を歪める。ナイフとフォークがきちんと揃えられた取り皿の上には、鮮やかな緑色をした野菜が数種類残されたままだ。幼い頃から変わらず熾己の苦手なものだと、ヴァルトもフレイアもよく知っている。
ひとつため息をついたフレイアは少し呆れた口調で、まるで聞き分けのない小さな子供に言い含めるように諭し始める。これも、彼らが幼い頃と全く変わらない。
「熾己様、好き嫌いなく食べなきゃ駄目だって、皇妃様がずっとおっしゃっていたでしょう? 折角出されたお皿のものを残すなんて、勿体ないわ」
「嫌いなものは嫌いなんだ。残りはヴァルトが食べるんだから勿体なくもないだろ」
俺、残飯処理係? と、ちらりと寄越された視線を受けてヴァルトは呟いた。まあ確かに、自分の好き嫌いを問わず、熾己には昔から色々なもの――大変苦手な甘味も――を食べさせられたような気もするが。無邪気な表情で目の前にフォークを差し出されては、断りようがない。
しかしそのような屁理屈がフレイアに通用するわけもなく、彼女の叱責は至って容赦のないものだった。
「お医者様がそんなワガママ言うんじゃありません! 栄養分は満遍なく摂り入れないと体に悪いって、熾己様自身がようく御存知のはずでしょう。これではビタミンが足りなくてよ」
自身も医師の彼女は口早に熾己に言って、更にくるりと振り返る。そして対面のヴァルトにビシッ、と人差し指を突きつけた。
「ヴァルト、あなたも!」
「俺?」
思わず自分を指差して訊き返した。どうして怒られるんだ、と眼を瞬く。
「熾己様の健康管理もあなたのお役目のひとつでしょうが! 見て見ぬ振りをしてるんじゃないの! あなた、もしかして今までずっとこの調子だったんじゃないでしょうね。信じられない! 陛下に、こんな男に任せたのは間違いですってご報告しなきゃ」
「だってー、ピーマン食べなくても死ぬわけじゃないし。熾己の機嫌損ねて怒られんのヤだしィ」
「それは単なる甘やかしよ!」
……同じようなフレーズを、ついこの前にも誰かに言われたような気がする。
「わーひどーい。フレイアさんまでそんなこと言うー。第一、熾己ももう小さい子供じゃないんだし、何だって俺がそこまで……」
「お目付け役の任務(おしごと)を疎かにする方が悪いんではなくって?」
つん、と顎を上げて指摘されてしまった。有無を言わせず、相手を反省しなければならないような気分にしてしまうのが、彼女のすごいところだと思う。明らかに見下されているのに逆らえない――というか、正確にはそれが似合うから怖くて刃向かえない。
フレイアは熾己の方に向き直り、再度忠告する。
「と、に、か、く! 偏食は身体によくないし、そもそも食材を育てた人にもお料理を作った人にも失礼です。だからちゃんとお食べなさい」
「失礼とかそういう精神論は」
「お黙り!」
一喝され、びくっと熾己が身を竦める。皇子に対してそこまで言う人間も珍しいだろう。彼はしばらく複雑な表情をして黙っていたが、やがて俯き気味に、観念したように言う。
「……野菜は食べる。生肉と生魚と茸は勘弁して」
「譲歩しましょう」
頷いて、フレイアは笑う。
==================================================
「そういや熾己、何でキノコ駄目なの?」
「だって菌だろ」
「いや冗談じゃなく」
「あの歯応えが……噛んだ時にふにっとする感じがきもちわるい」
「そーう? 美味しいと思うけどなあ」
「だから味じゃなくて。それ以前。わ、思い出したらぞわっとしてきた」
両腕を抱えて、熾己が苦虫を噛み潰したような顔をする。好き嫌いは激しいが、同じくらいに面子(メンツ)もあるので、どう誤魔化しようもない時は一応食べてはいるのだ。例えば家族――特に母親――の前だとか。食べ物を粗末にすると、下手をすれば彼女はフレイアより怖い。
ただ、生の魚や肉のほとんどはどう我慢しても受け付けないので、最初から遠慮するか火を通してもらうことにしている。焼き加減もレアでは無理だ。
「だーめ!」
軽い口調の割に彼女の目線は厳しい。しまった、とばかりに熾己が眉を顰めて片頬を歪める。ナイフとフォークがきちんと揃えられた取り皿の上には、鮮やかな緑色をした野菜が数種類残されたままだ。幼い頃から変わらず熾己の苦手なものだと、ヴァルトもフレイアもよく知っている。
ひとつため息をついたフレイアは少し呆れた口調で、まるで聞き分けのない小さな子供に言い含めるように諭し始める。これも、彼らが幼い頃と全く変わらない。
「熾己様、好き嫌いなく食べなきゃ駄目だって、皇妃様がずっとおっしゃっていたでしょう? 折角出されたお皿のものを残すなんて、勿体ないわ」
「嫌いなものは嫌いなんだ。残りはヴァルトが食べるんだから勿体なくもないだろ」
俺、残飯処理係? と、ちらりと寄越された視線を受けてヴァルトは呟いた。まあ確かに、自分の好き嫌いを問わず、熾己には昔から色々なもの――大変苦手な甘味も――を食べさせられたような気もするが。無邪気な表情で目の前にフォークを差し出されては、断りようがない。
しかしそのような屁理屈がフレイアに通用するわけもなく、彼女の叱責は至って容赦のないものだった。
「お医者様がそんなワガママ言うんじゃありません! 栄養分は満遍なく摂り入れないと体に悪いって、熾己様自身がようく御存知のはずでしょう。これではビタミンが足りなくてよ」
自身も医師の彼女は口早に熾己に言って、更にくるりと振り返る。そして対面のヴァルトにビシッ、と人差し指を突きつけた。
「ヴァルト、あなたも!」
「俺?」
思わず自分を指差して訊き返した。どうして怒られるんだ、と眼を瞬く。
「熾己様の健康管理もあなたのお役目のひとつでしょうが! 見て見ぬ振りをしてるんじゃないの! あなた、もしかして今までずっとこの調子だったんじゃないでしょうね。信じられない! 陛下に、こんな男に任せたのは間違いですってご報告しなきゃ」
「だってー、ピーマン食べなくても死ぬわけじゃないし。熾己の機嫌損ねて怒られんのヤだしィ」
「それは単なる甘やかしよ!」
……同じようなフレーズを、ついこの前にも誰かに言われたような気がする。
「わーひどーい。フレイアさんまでそんなこと言うー。第一、熾己ももう小さい子供じゃないんだし、何だって俺がそこまで……」
「お目付け役の任務(おしごと)を疎かにする方が悪いんではなくって?」
つん、と顎を上げて指摘されてしまった。有無を言わせず、相手を反省しなければならないような気分にしてしまうのが、彼女のすごいところだと思う。明らかに見下されているのに逆らえない――というか、正確にはそれが似合うから怖くて刃向かえない。
フレイアは熾己の方に向き直り、再度忠告する。
「と、に、か、く! 偏食は身体によくないし、そもそも食材を育てた人にもお料理を作った人にも失礼です。だからちゃんとお食べなさい」
「失礼とかそういう精神論は」
「お黙り!」
一喝され、びくっと熾己が身を竦める。皇子に対してそこまで言う人間も珍しいだろう。彼はしばらく複雑な表情をして黙っていたが、やがて俯き気味に、観念したように言う。
「……野菜は食べる。生肉と生魚と茸は勘弁して」
「譲歩しましょう」
頷いて、フレイアは笑う。
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「そういや熾己、何でキノコ駄目なの?」
「だって菌だろ」
「いや冗談じゃなく」
「あの歯応えが……噛んだ時にふにっとする感じがきもちわるい」
「そーう? 美味しいと思うけどなあ」
「だから味じゃなくて。それ以前。わ、思い出したらぞわっとしてきた」
両腕を抱えて、熾己が苦虫を噛み潰したような顔をする。好き嫌いは激しいが、同じくらいに面子(メンツ)もあるので、どう誤魔化しようもない時は一応食べてはいるのだ。例えば家族――特に母親――の前だとか。食べ物を粗末にすると、下手をすれば彼女はフレイアより怖い。
ただ、生の魚や肉のほとんどはどう我慢しても受け付けないので、最初から遠慮するか火を通してもらうことにしている。焼き加減もレアでは無理だ。
04/03/19の続き
2005.01.29 Saturday
急いで靴を履き、夜着の上に毛織のガウンを羽織っただけの格好で部屋を飛び出した。長い廊下を走り抜ける間、誰にも見咎められなかったのは幸いだ。急いで階下に降り、更に外に足を踏み出す。内苑はきらめくような純白の雪で埋め尽くされている。真冬の外気は冷たく、身を切る寒さにもかかわらず、全身は上気してむしろ暖かいくらいに感じられた。慣れた足取りで雪の敷き積もった広い庭を突っ切って、テレジアは西の物見塔の麓まで駆けつける。
そして高い塔を見上げた。周囲はしん、と静まり返って鳥の羽音すら聞こえない。
ガウンのポケットから先程の鍵を取り出し、氷のように冷えた錠に差し込んだ。カチリ。金属質な音がして封印が解かれる。古びた扉を全身の力で引っ張り、こじ開けたその隙間に少女は躰を滑り込ませる。
何処までも続くような螺旋階段を、息を切らして駆け上った。一番初めに昇った時と同じ、不安な気持ちが胸を掠める。
階段の突き当たりまで辿り着き、テレジアは軋む木の扉をそっと押し開ける。灯りのない部屋は薄暗く、石壁で囲まれた内部は普段より更に冷えて感じられた。中に踏み入ると、床に散らばっていることが多かった数々の分厚い本は、今では全てきちんと書架に整理されている。書きかけの論文が机に積み重ねられていることもなかった。
そして何より、少し無愛想な表情で自分を迎え入れてくれる彼がいない。
――それが一番さみしい。
「おじさま……」
思わず口に出して呟いていた。留守にするなんて全く聞いていなかった。今までも何度か塔を空けていたことはあったようだけれど、二、三日もすれば必ず帰ってきていた。しかし、わざわざ自分に鍵を託して行くくらいだから、今度の不在は長期に及ぶのだろう。
(行き先も知らせずに発(た)つなんて)
ひどい、と俯いたテレジアは涙の滲んだ言葉を飲み込む。
彼女は回転椅子の上に片膝を立てて座り、そこに体重を預けてみる。いつも彼がそうしていたように。
(ひどいわ、おじさま)
そして高い塔を見上げた。周囲はしん、と静まり返って鳥の羽音すら聞こえない。
ガウンのポケットから先程の鍵を取り出し、氷のように冷えた錠に差し込んだ。カチリ。金属質な音がして封印が解かれる。古びた扉を全身の力で引っ張り、こじ開けたその隙間に少女は躰を滑り込ませる。
何処までも続くような螺旋階段を、息を切らして駆け上った。一番初めに昇った時と同じ、不安な気持ちが胸を掠める。
階段の突き当たりまで辿り着き、テレジアは軋む木の扉をそっと押し開ける。灯りのない部屋は薄暗く、石壁で囲まれた内部は普段より更に冷えて感じられた。中に踏み入ると、床に散らばっていることが多かった数々の分厚い本は、今では全てきちんと書架に整理されている。書きかけの論文が机に積み重ねられていることもなかった。
そして何より、少し無愛想な表情で自分を迎え入れてくれる彼がいない。
――それが一番さみしい。
「おじさま……」
思わず口に出して呟いていた。留守にするなんて全く聞いていなかった。今までも何度か塔を空けていたことはあったようだけれど、二、三日もすれば必ず帰ってきていた。しかし、わざわざ自分に鍵を託して行くくらいだから、今度の不在は長期に及ぶのだろう。
(行き先も知らせずに発(た)つなんて)
ひどい、と俯いたテレジアは涙の滲んだ言葉を飲み込む。
彼女は回転椅子の上に片膝を立てて座り、そこに体重を預けてみる。いつも彼がそうしていたように。
(ひどいわ、おじさま)