未完成の言葉の欠片 / ※印は要注意orネタバレ / 二次はクリア後前提です
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2026.04.04 Saturday
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アビス:子PJ
2006.04.13 Thursday
子ジェは他人に直接触れられるのが嫌いだといい。あと、子ピオ様はフォミクリーのこととかよく解ってない前提。
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「眠いのならもう寝たら?」
「見張ってないと……おまえが、死ぬみたいな、気がして……」
手を握られる。そんな風に触れられるのは厭だ、と思った。気持ちが悪い。たとえその相手が家族でも、決して快いものではないのに。
「どうして僕が、死ぬ、の」
「だって淋しいだろ、先生が亡くなって」
「そんなの、おかしい」
「先生はおまえのこと、理解しようとしてた。変に遠巻きにしたり、押さえつけたりしなかった。だからおまえも先生のこと認めてたんじゃないのか?」
「そんなわけじゃ、ない……」
唯一、自分の話についてこれる大人だったからだ。他の大勢は――両親ですらこんな自分を薄気味悪く思っているだろうに。それだけではない。更に彼女は第七音譜術士で、自分がどう足掻いても手に入れられない天性の素養を持っていた。そこに感じたのは憧憬と、それ以上に強い嫉妬だった。憎悪と言ってもいいほどの。
死にゆくネビリムに譜術を施したのも、サフィールのように別に彼女を死なせたくなかったわけではない。今ならフォミクリーのための最高の実験体が手に入ると、思ったからだ。確実に、死が深淵へと繋がるその口を開いて待ち受けている人間。情報を抜き取るには最適な素材。レプリカの器。『自分は失敗していない』ことの証明。彼女の再構築を成功させれば、全てが帳消しになる。元どおりになる。
それ以外の何物でも――。
本当に、それだけだったのだろうか。僅かな揺らぎが生じる。
「わからない」
指先の熱が、融ける。
「眠いのならもう寝たら?」
「見張ってないと……おまえが、死ぬみたいな、気がして……」
手を握られる。そんな風に触れられるのは厭だ、と思った。気持ちが悪い。たとえその相手が家族でも、決して快いものではないのに。
「どうして僕が、死ぬ、の」
「だって淋しいだろ、先生が亡くなって」
「そんなの、おかしい」
「先生はおまえのこと、理解しようとしてた。変に遠巻きにしたり、押さえつけたりしなかった。だからおまえも先生のこと認めてたんじゃないのか?」
「そんなわけじゃ、ない……」
唯一、自分の話についてこれる大人だったからだ。他の大勢は――両親ですらこんな自分を薄気味悪く思っているだろうに。それだけではない。更に彼女は第七音譜術士で、自分がどう足掻いても手に入れられない天性の素養を持っていた。そこに感じたのは憧憬と、それ以上に強い嫉妬だった。憎悪と言ってもいいほどの。
死にゆくネビリムに譜術を施したのも、サフィールのように別に彼女を死なせたくなかったわけではない。今ならフォミクリーのための最高の実験体が手に入ると、思ったからだ。確実に、死が深淵へと繋がるその口を開いて待ち受けている人間。情報を抜き取るには最適な素材。レプリカの器。『自分は失敗していない』ことの証明。彼女の再構築を成功させれば、全てが帳消しになる。元どおりになる。
それ以外の何物でも――。
本当に、それだけだったのだろうか。僅かな揺らぎが生じる。
「わからない」
指先の熱が、融ける。
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